山田孝之さん・菅田将暉さん・麻生久美子さん出演の話題のドラマ「dele」(ディーリー)。
深夜枠ながらもネット民を中心に「期待通り」と評価が高いことも話題ですが、実際に「オンラインデータ消去」をビジネスにしている会社が実在するのかどうか、気になる方も多いのではないでしょうか。
「インターネットビジネス」なんて言葉が昔のものに感じるほど、ネットを介したビジネスや個人の収入源が当たり前となった現在。
今回は「dele」の様なビジネスを手がけている企業・個人ビジネスが実在するのか、デジタル遺品サービスと自ら生前にデータ削除設定をする方法など、具体的な守り方も紹介していきます。
CONTENTS
ドラマ「dele」の原作は?実在モデルは存在するのか。
まずはドラマ「dele」の詳細から軽く説明します。
「dele」の原作は、推理小説家・本多孝好氏の小説。
2017年6月に出版され、「GO」「SP」「BORDER」などのヒット作を生み出した作家・金城一紀氏と、映画会社KADOKAWAにて2018年7月、ドラマとしてメディアミックス化。
キャストには山田孝之さん・菅田将暉さん・麻生久美子さんという実力派&おしゃれ俳優陣をメインに迎え、現代社会ならではのストーリー展開だけでなく、キャスト陣の層の厚さや映像美など、トータルクオリティの高さでも注目を集めました。
山田孝之さん演じる坂上が経営し、菅田将暉さん演じる真柴が手足となって動き、依頼人の死後のデータを抹消する「dele.LIFE」。
ドラマでは毎回この「dele.LIFE」の依頼人の人生にスポットを当て、生前の依頼人の想いや人間模様が、独特の世界観で表現されています。
さらなる詳細内容はこちら。
「dele.LIFE」(ディーリー・ドット・ライフ)は、あらかじめ登録しておくと、依頼人の死後、パソコンやスマホに遺るデジタル記録を内密に抹消する業務を請け負う会社である。
依頼人が設定した時間を超えてパソコンやスマホが操作されなければ、所長の坂上圭司の「モグラ」と呼ばれる端末に信号が届く。3カ月前に雇われた真柴祐太郎の仕事は、車いすの圭司に代わって依頼者の死亡確認をすることだった。
しかし、データ削除に至る過程で、2人は図らずも依頼人の人生や秘密に触れていき、そこに隠された真相をひも解かねばならない状況へと追い込まれる。
依頼人の人生に立ち入らない主義の圭司と、依頼人の遺した「思い」をできるだけかなえようと奔走する祐太郎は、互いに相反する立場で葛藤しながらも、徐々に絆を深めていく。
引用元:wikipedia
ちなみにドラマはオムニバス形式となっており、一話完結となっています。
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さて気になるのは、この「dele.LIFE」の様なビジネスモデルは実在するのかということ。
原作は、あくまで「フィクション」。ドラマでは祐太郎のやっている死亡確認作業は法に触れていますから、この通りのビジネスをやっている会社はいないでしょう(た、たぶん・・)。
ただ、こういった「デジタル遺品」を削除する「デジタル遺品サービス」会社は、現実社会にも存在します。
故人のオンラインデータを代行整理。デジタル遺品ビジネスと、トラブルサポート会社。
故人の残した遺品の中でも、オンラインデータの残ったデバイスを「デジタル遺品」と呼びます。
ただ、「dele」の様に「自分がこの世から去った時はこうして欲しい」というサポートではなく、基本的には「身内や故人のデータを代わりに整理します」という内容ですね。
というのも、故人のデジタル遺品を身内が遺族が取り扱った際のデリケートなトラブルというのは、ニュースなんかでも話題に上がったりします。
メールやSNSなどのコミュニケーションアプリ、写真・動画などメディアアプリなど、生前の身内のプライバシーを目の当たりにして「見たくなかった・・」というケースを回避することも、こういったサポート会社を利用する目的として多いそう。
また、スマホやPCのロック解除など、多くのデジタル遺品はパスワードで保護されているので、必要なデータを取り出せない、遺族のリテラシーからそもそも取り出し方が分からない、というトラブルも多い様です。
では早速、実在するデジタル遺品サービス会社を見ていきましょう。
デジタル遺品サポート会社1:マレリーク
デジタル遺品ビジネスは、個人ビジネスから企業まで探せばかなり存在していますが、まずはマレリークさん。
遺品整理専門業者であり、平成24年から運営されています。
通常遺品整理とデジタル遺品整理を同時に対応可能。関東・関西地方を中心に対応しており、緊急の場合も相談可能とのこと。HPデザインも綺麗です。
こちらのサービスでは、ただ単に削除するのではなく「必要なデータは残した上で削除」という対応も可能。
まず遺族の方へ遺品整理についての意思確認を行ってくれます。「全て確認したい」「ネガティブなものは確認したくない」「全て確認せずに完全消去」という3つの選択肢を元に、対応をしてくれるそう。
もちろん、「どこからネガティブになるのか」という点は主観にもなるでしょうし、故人の大切なデータが業者の目に触れることになります。
その辺りはしっかりと気持ちの整理をつけて、事前に諸々と確認してから依頼をすることが大事ですね。
デジタル遺品サポート会社2:ファンデックス
2社目は、ファンデックスさん。
1995年設立と長い歴史を誇る会社。業界健全化をテーマに、見積価格を業界当然の「言い値」から「POS入力算出」を業界初導入をした企業でもあります。
少子高齢化や孤独死などの社会問題に比例するように、業界トラブルも増加する中、このファンデックスは「遺品整理士」の資格保持者もいますし、身元保証も万全にしてる模様。
ただし、こちらではオンライン上でデータを消去する、という手法とは違い、最新のハードディスク破壊機器で、物理的に完全破壊するという手法。「穴を開ける」といった言葉通り物理的方法や、磁気で完全破壊させるなど、まさに「抹殺」です。
「本当に削除されたのか不安だから物理的な証拠も確認したい」という遺族の方にはおすすめかもしれませんね。
デジタル遺品サービスのトラブルとは
ちなみに「日本デジタル終活協会」というのもありました。デジタル遺品対策だけでなく、デジタル終活対策などのセミナーやシンポジウムなども行われているそうです。
遺族からは見えづらい「デジタル遺品」。急激なネットインフラの加速により、ますます需要が見込まれそうなデジタル遺品サービスですが、
一方で、遺品整理業界では新規参入業者の増加と共に悪質なトラブルが増え、社会問題化しているという事実もあります。
もちろん全てが全て悪質業者とは言いませんが、大切なデータだからこそ本当に誠意を持って取り扱ってくれるのかの見極めは非常に重要ですね。
「もしも」の時のオンラインデータの守り方。生前に「自分で」家族や身内に安心して遺す方法は

結局ドラマ「dele」の様に、あらかじめ自ら自分のデータを削除設定するにはどうすればいいの?という所ですが、
結論・・「フリーソフト導入」&Googleアカウント削除に辿り着きました。
フリーソフトは「死亡時自動削除・遺言ソフト」というもの。
実は、名前的に無駄に怖くなったりもしたんですが(苦笑)、調べていくうちに、こういった対策って遺される側へのマナーだったりするのかな、と色々考えさせられました。
という事で、次から
- 「遺言ソフト」の無料アプリ
- Googleアカウントの無効化
について書いていきます。
自分の死亡時に他人に見せたくないデータを自動削除できるアプリ「遺言ソフト」とは
死亡時自動削除・遺言ソフトとは、一定期間更新がないと自動的にデータを削除してくれるソフトです。
自分の寿命を予測出来ている時などの場合は、自分で「1週間」「1ヶ月」など期間設定する事で、見られたくないデータを遺族の目につかない様に自動削除してくれます。
また、デスクトップ上に遺書が現れる様に設定し、それをクリックすれば完全削除される機能があるものなども。
ちなみに、完全フリーソフトなのでダウンロードやインストールは自己判断でお願いします。
データを自動削除してくれる無料ソフト1:アプリ「死後の世界」
名前だけ聞くと誤解を生みそうなアプリですが、説明文を読む限りでは最も実用的だなーと思ったのがこちらでした。
アプリ「死後の世界」を利用すると、指定日数後、もしくはPCの最終起動から何日間かPCが起動されなかったときに、自動でPC内のファイルが削除されます。
また、そのタイミングで遺言(メッセージ)を表示させることもできるので、伝えたいメッセージを残すことも可能です。
データを自動削除してくれる無料ソフト2:アプリ「僕が死んだら」
名前の通りなんですけど、どストレート過ぎるというか歌詞みたいというか、何だか一瞬躊躇してしまう感じなのは私だけでしょうか・・。
アプリ「僕が死んだら」でも、こちらも自分の死後、見られたくないファイルを削除し、遺言のようなメッセージを残すことができます。遺言メッセージは、テキストや動画、パワーポイントなどでも遺す事が可能。
データを自動削除してくれる無料ソフト3:アプリ「Remove Timer」
アプリ「Remove Timer」は、指定ファイルを指定日時や日数が経過した時に自動削除してくれるソフト。
こちらは自分が利用していても指定日数が経過されたら削除されてしまうので、「しまったー!」とならない様に日時設定には注意しておきましょう。
Googleアカウント無効化の手順
では続いて、Googleアカウント無効化手順を説明していきます。
GmailにGoogleカレンダーにGoogleスプレッドシートにGoogleフォトにと、超絶便利すぎる「Google」様。アプリを導入せずとも、デフォルト機能に無効化設定があるのは非常にありがたいですね。
では早速見ていきましょう。
使うのは、「Googleアカウント無効化管理ツール」。
こちらを設定しておくと、自分のアカウントに一定期間ログインが無かった場合に下記2点が可能です。
- 自分のアカウント・データを自動的に削除
- 残っているデータ情報を指定した人に送信
ログイン期間は3ヶ月〜18ヶ月まで、データを送る宛先は10人まで選ぶことが出来ます。データは送られるだけで、当然アカウントは引き継がれることはありません。
データを渡すか渡さないかは別として、大量のデータを自動的に削除してくれるのは本当にありがたいですね。
★ちなみに、FacebookやTwitterなどSNSに関しては、こちらの「カミアプ」さんの記事が分かりやすくまとめられています。
【豆知識】死んだらどうなる?死後のWebサービスやSNSアカウントの手続きを解説
デジタル管理を含んでの「終活」は、誰もが考えなくてはならないもの
漫画「宇宙兄弟」では、ある日主人公のムッタが、優秀な宇宙飛行士である弟のヒビトの遺書を偶然見つけてしまうシーンがあります。
ムッタは「遺書」の内容をちらっと目にした瞬間、「おっと・・・」と動揺しながらも、「何も考えてなさそうであいつも考えているんだな」とそっとページを閉じて元に戻します。
現実世界でも、打ち上げ前には遺書を残して出発する宇宙飛行士の方は多いそうです。
2011年には「エンディング・ノート」というドキュメンタリー映画が注目を集めましたが、死というものはいつ訪れるものか分からないもの。
それは、年齢や病気、職業によって確率は変われども、全員に共通しているもの。
「エンディング・ノート」の様に「生前の記憶」「遺書」もデジタル化が進む一方で、抹消したい「死後のデジタル処理」も含めた現代社会の「終活」。
デジタルネイティブぎりぎりの管理人ですが、もしもの際は大切な人に極力迷惑をかけない様に準備しておくのは、デジタル世代の新たなマナーだなと今回の記事作成を通して感じました。
こういったリテラシーというのは誰かが教えてくれるものではありませんし、後手後手で情報が回ってきたりするもの。
上手に情報を駆使することで、しっかりと「今を楽しむ」ことへと繋げていきたいですね。
今回は以上です。
